盛岡タイムス Web News 2014年  5月  28日 (水)

       

■  岩手山火山防災ガイドライン 年度内に改訂版 8月の訓練結果も反映 2000年策定来、初の見直し

 

     
  県から改訂案が示された岩手山の火山活動に関する検討会  
  県から改訂案が示された岩手山の火山活動に関する検討会
 

 県は2000年3月に策定した岩手山火山防災ガイドラインの見直し作業に着手した。ガイドライン策定後の法改正や市町村合併、国の組織改編などに対応するもので、策定以来、初の見直しとなる。27日に盛岡市内で開かれた岩手山の火山活動に関する検討会(座長・斎藤徳美放送大学岩手学習センター所長)では、県が示した改訂案について有識者らが意見交換した。県は検討会の意見や8月に予定している岩手山の火山災害を想定した総合防災訓練の検証結果などを反映し、今年度内にガイドラインの改訂版を策定する。

  検討会には学識経験者や気象台、岩手河川国道事務所、県、盛岡、八幡平、滝沢、雫石の4市町の関係者ら28人が出席した。

  改訂案では、岩手山に対する噴火警戒レベルの導入(07年)に対応し、立ち入り規制計画、避難準備の注意喚起、避難準備情報の発令、避難勧告など5段階の噴火警戒レベルに合わせて県や市町が行う対策を明記。作成中の岩手山火山噴火緊急減災対策砂防計画(案)も新たに位置付けている。

  土砂災害防止法の一部改正(11年)で盛り込まれた、火山噴火に起因する土砂災害の国による緊急調査についても触れ、被害の想定区域、時期などの情報を市町へ通知するとした。

  委員からは、土石流災害の避難勧告や指示について「発令する市町は非常に難しい判断を迫られる。緊急時に、国や気象台、研究者、関係市町など中心メンバーが密接に協議できる体制をガイドラインに位置付けるべき」といった意見が出た。

  岩手山の火山活動が活発化した98年当時から、岩手山の観測やガイドライン策定に関わってきた浜口博之東北大名誉教授は、文言の整理にとどまらない、根本的なガイドラインの見直しを主張。都市部に活火山がある岩手山の特殊環境や東日本大震災津波の教訓を踏まえ「山体崩壊など大規模な火山災害も想定した上で、防災マップを見直すべき」と提言した。

  周辺市町の防災担当者からは「土石流で北上川がせき止められれば、広範囲な避難が必要になる。盛岡だけでなく、滝沢、雫石方面からの避難の受け入れなども考えていかなければいけない」(盛岡)「市町の枠を超えた広域での避難場所の検討が必要だ」(滝沢)といった発言があった。


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