盛岡タイムス Web News 2014年  6月  15日 (日)

       

■ 鈴の音 初夏に涼やか 蒼前神社から盛岡八幡宮 チャグチャグ馬コ85頭

     
  稚児を乗せて歩を進めるチャグチャグ馬コ  
 
稚児を乗せて歩を進めるチャグチャグ馬コ
 

 馬産地岩手を代表する伝統行事「チャグチャグ馬コ」は14日、滝沢市や盛岡市で開かれた。目にも鮮やかな装束と何百もの鈴をまとった農耕馬85頭が滝沢市の鬼越蒼前神社から盛岡市の盛岡八幡宮まで約15`を練り歩いた。沿道にはカメラを持った多くの観光客が「今か今か」と馬コ行列を待ち望んだ。鈴と蹄(ひづめ)の音が聞こえると、声援を送り、愛馬精神を共有した。

  今年の装束馬は、チャグチャグ馬コ同好会滝沢支部38頭、盛岡支部18頭、矢巾支部18頭が参加した。鬼越蒼前神社を詣で、愛馬の無病息災を祈願した後、午前9時半に出発。田園地帯を数珠つなぎに進んでいった。

  空には灰色の雲が立ち込めていたが、出発と同時に雲間から、すがすがしい青空が顔をのぞかせた。馬コが進む道々を照らすように、日の光が降り注いだ。天気の合間を縫って、境内では繋留馬をスケッチする人の姿もあった。

  乗り手役の徳田美沙さん(盛岡市立厨川小2年)は祖母の信子さん(67)=滝沢市=が縫った「あねっこ」の衣装を着て参加。信子さんに紅を引いてもらい、身支度を済ませた。美沙さんは「緊張するけれど、馬の上は鈴が『からん、からん』と聞こえてきれい」と話し、信子さんは「チャグチャグ馬コは地域の財産」と語った。

  家族4世代で宮古市から訪れた村上正吉さん(91)は「きれいでした。特に生まれて1カ月ほどの子馬も一緒に歩いていて驚いた。20歳になるまで馬と生活し、兵隊に行った時も山砲で馬と一緒だったので懐かしい」と目を細めた。

  チャグチャグ馬コは、農耕に疲れた愛馬を癒やすため、馬の守り神をお参りする風習「おそでまいり(お蒼前参り)」に由来。1978年には国の無形民俗文化財に指定。「チャグチャグ」は鈴の音を指し、96年には「日本の音風景100選」に選ばれた。


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