盛岡タイムス Web News 2014年  7月  12日 (土)

       

■ 県社協 高齢者施設が災害時連携 5ブロックで支援協定締結


     
   高齢者福祉施設における災害時相互支援協定締結を締結した県内5ブロック協議会の代表者ら  
   高齢者福祉施設における災害時相互支援協定締結を締結した県内5ブロック協議会の代表者ら
 

 東日本大震災津波では、沿岸部の高齢者福祉施設が全半壊する甚大な被害を受けた。こうした経験を踏まえ、災害時における施設間相互の支援強化の必要性が改めて浮き彫りになった。県社会福祉協議会に加入する高齢者福祉施設で組織する高齢者福祉協議会は、災害時に県内全域で円滑な相互支援ができるよう災害時相互支援協定を締結した。調印式が11日、県民会館で行われ、同協議会の下部組織である5ブロック協議会の代表者が協定を取り交わした。

  協定では、地震や津波、台風、噴火などの大規模災害が発生した際に、特別養護老人ホーム、養護老人ホーム、軽費老人ホーム、高齢者デイサービスセンター(通所介護事業所)など高齢者福祉協議会の会員360施設が相互に支援し合う。県内の中央、県南、両磐、沿岸、県北の5ブロック協議会では、2014年2月までにブロック内の施設間の相互支援協定を既に締結しており、今回の協定で広域での支援体制が整う。

  相互支援の内容は▽被災した会員施設利用者の避難の受け入れ、施設の提供▽被災した会員施設または避難者を受け入れた会員施設への職員の派遣▽避難者に対する給食、給水および生活必需品の提供▽災害応急措置に必要な資材物資の提供―。

  震災時、大きな被害を受けた特別養護老人ホームさんりくの園(大船渡市)、養護老人ホーム五葉寮(釜石市)の入所者を内陸部の高齢者福祉施設が受け入れたほか、介護職員に不足が生じた施設に介護職員を派遣するなどの支援が行われた。

  一方、連絡が途絶えて孤立してしまった施設、被災を免れた施設でも入所者のほかに、被災した地域住民が想定以上に施設に避難したため職員や物資が不足した施設などがあった。

  同協議会では協定を踏まえ、助けを求める声が届かなくても災害が発生した地域の施設に駆け付ける体制を構築するほか、各施設の防災担当者による会議で地域ごとに想定される災害やそれに備えた備蓄などをシミュレーション。職員や物資をどのタイミングで届けるかなどを具体的に整理していく。

  現在、同様の災害時相互支援協定は、山形県、宮城県、福島県で締結されている。同協議会では、将来的には政令指定都市の仙台市を加えた東北の7ブロック全体で協定締結し、県レベルで相互支援できる体制を構築していきたい考え。

  同協議会の渡辺均会長は「いつ起きるか分からない災害。実際に全部の施設が被害を受けたら困るが、どこかで被害を受けない施設もある。その施設が率先して支援する気持ちを持ってもらうための協定。今回の震災で実際に経験をしたので、もっと良い支援につながっていけば」と話す。
 


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