盛岡タイムス Web News 2014年  9月  3日 (水)

       

■  〈口ずさむとき〉398 伊藤幸子 「愛球ノート」


 「感動」「勇気」そして 「笑顔」を届けんと甲子園児の宣誓凜凜し
                                   五味弘行
                         「現代万葉集」2013年版より

 今年も甲子園高校野球が終わってしまった。私にとってはもう夏の終わり、胸にポッカリと穴が開き、何をする気も起きず風景も色あせて見える。きょうはそんなところに佐世保市の方よりお便りをいただいた。

  長崎県立清峰高校といえば、平成21年センバツ高校野球で4月2日、わが岩手の花巻東との対戦校。怒濤(どとう)の勢いのまま決勝戦に臨み、1対0で敗れた相手校である。菊池雄星、千葉祐輔、佐藤涼平君たちの(本当は全員あげたいが)活躍が昨日のように思われる。

  甲子園を語り出すと何年前であろうと、その時の決定打や監督さん方、解説の方々の表情もすぐ思い浮かぶ。まずはことしの話題から。私は、今回決勝戦に残った三重高校を初戦からよく見ていなかった。お盆中でもあり、ベスト8あたりでもじっくり見られずにいて、なんとなくなじみが薄いように思っていたが、ことし、センバツでは3月24日に智弁奈良と対戦。今井重太朗投手、中林健吾捕手のチームで7対2で敗れている。

  「東は宇治の翠巒(すいらん)を 北は城址(じょうし)の鈴の屋をのぞみて古今学ぶ丘│」と高雅な校歌が流れ、この夏は攻撃、打撃のチームといわれて勝ち進んできた。バッテリーはセンバツと同じ顔ぶれ。

  もちろん大会6日目、盛岡大附属対東海大相模も、遠藤君のレフトへのホームランに手が痛くなるほど拍手した。ことしはまた、久々にブルーのユニホームの近江高校(滋賀)にも注目。この学校は歌人木俣修さんの校歌が聞けてうれしい。八戸学院光星高校は、ことしこそ優勝旗を東北にとの期待を込めて、中井宗基監督の自信の笑顔に希望を託す。東北勢は頑張って11日目には聖光学院高校(福島)対近江高校。どっちにも勝たせたい。9回裏、思いがけないセーフティースクイズが決まり、サヨナラ、2対1で聖光が勝った。「9回って、何かが起こるものですね」との広瀬寛さんの解説がしみた。

  私は、大阪桐蔭高校は5試合見た。11日の対八頭高校(鳥取)戦のとき、ネット裏に大阪桐蔭OBの藤浪晋太郎君が見えて胸が震えた。アルプス席には以前NHK盛岡放送局におられた酒匂飛翔アナが大阪の応援団の紹介で映った。

  8月25日決勝戦。三重先攻で3対2の7回裏。満塁から逆転とめまぐるしい展開で大阪桐蔭4対3とし、2年ぶり4度目の優勝に結びつけた。西谷浩一監督は部員たちと野球ノートを書かれるという。私の手書きの愛球ノートはことしも感動ではちきれそうだ。
(八幡平市、歌人)



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