盛岡タイムス Web News 2014年  9月  12日 (金)

       

■  原発ADR 県に10月和解案提示へ 市町村は今月から審理 一部で提案、受け入れも


 県によると、福島第一原発事故に伴う東京電力に対する自治体損害賠償請求で、東電が支払いに応じない分で県と市町村などが和解仲介を申し立てた原子力損害賠償紛争解決センター(原発ADR)から、10月下旬にも県に対する和解案を提示する意向が示されている。県の申し立て審理が進み、今月下旬以降、市町村や広域連合などに関する審理も順次進められる見込みだという。既に申し立て額の少ない団体では和解が成立している。

  内容は11日に盛岡市内で開かれた原発放射線影響対策市町村等連絡会議で説明された。原発ADRへの申し立ては2011、12年度分の支払われていない請求額に対してで、4月末現在、県と26市町村、広域連合や一部事務組合など10団体で計15億1072万4千円。うち県は6億3213万9千円(修正で現在6億3420万3千円)、市町村などが8億7858万5千円となっている。

  この中で市町村や一部事務組合など36団体のうち、一戸町、洋野町、盛岡市と滝沢市、雫石町で構成される盛岡地区衛生処理組合(所在地・滝沢市)に対しては、申し立てが少額などの理由で和解案が提示された。

  同衛生処理組合は7月14日時点で和解が成立。同組合事務局によると、組合の申し立て額6万3千円を満額で和解。内容は放射線検査費用だという。10月に開催予定の組合議会で和解について報告、承認を受ける考え。一戸町は和解案に関する受け入れが10日の町議会で議決されている。

  原発ADRでは、県内計37団体から申し立てがあった段階で、県の申し立てについて先行して審理を開始。方針を整理した上で市町村、広域連合などの審理を進める意向を示した。これを踏まえ、8月1日に原発ADRから県の審理作業にめどが立ち、10月下旬ごろにも和解案を示す考えが伝えられた。

  さらに、県は一戸町など3団体を除く市町村などにも今月下旬以降、審理を順次進めていく予定と連絡を受けている。

  審理の過程で、東電側から申し立て内容への認否(答弁書)として「災害応急対策は地方公共団体の本来業務の一つであり、放射性物質の大量放出も含まれているから、原子力災害対策に要する経費は原則として地方公共団体の負担であるべき」との基本認識が示されている。

  これに対して原発ADRは「支出などについて原発事故との相当因果関係が認められれば、地方公共団体の本来的業務であるか否かを問わず、これを損害として認める方針」と指示が出された。

  県と市町村は、6月19日まで6次にわたって11年度から13年度の原発放射線影響対策にかかった費用について東電へ自治体損害賠償請求をしてきた。請求額は91億5533万7千円(うち県分約78億500万円)で、うち49億6030万円が合意に至らず未払いとなっている。


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