盛岡タイムス Web News 2014年  9月  13日 (土)

       

■ 平泉経由で繋へ 県文化財審議会 渥美灰釉壺(盛岡市・佐藤弘さん所有)を県指定に 一本松経塚から出土


     
  県有形文化財(考古資料)に指定される渥美灰釉壺(盛岡市教委提供)  
  県有形文化財(考古資料)に指定される渥美灰釉壺(盛岡市教委提供)
 

 2014年度の第1回県文化財審議会が12日、県庁で開かれ、盛岡市繋の佐藤弘さんが所有する渥美灰釉壺(かいゆうつぼ)=盛岡市指定文化財=を県の有形文化財(考古資料)に指定すべきと答申された。10月20日の県教育委員会議の議決を経て11月初旬に県報告示され、県文化財に指定される。

  現在は所有する佐藤さんから盛岡市へ寄託されており、市遺跡の学び館に常設展示されている。

  渥美灰釉壺は昭和20年代前半に、盛岡市繁地内の一本松経塚から出土した。愛知県渥美半島周辺に分布する「渥美窯(あつみよう)」産の灰釉壺で、平安時代(12世紀第3四半期)に生産されたとみられる。経塚内で仏典などを入れる経筒外容器として使用されたと推測される。

  同時期の平泉は東日本で随一の陶磁器類の消費地であり、柳之御所遺跡をはじめ県内各地で渥美窯製品が出土している。渥美灰釉壺も平泉経由で招来した可能性が高く、平泉および平泉文化と周辺地域の関係を考えるうえで重要な資料といえる。

  渥美灰釉壺の形状は卵を逆さにしたような「倒卵形」で、高さ25・9a、口径10・2a、胴の最大径18・0a。口の部分がラッパ状に広がり、縁が膨らんでいる渥美窯産の特徴も見られる。口の縁の部分が一部欠けているが、緑黄色の灰釉(灰で作った釉薬)が全面に施されている。完成に近い形で出土し、美しく発色した壷は全国的にも希少とされ、学術的価値も極めて高い。

  今回の指定により、県指定有形文化財(考古資料)は20件に、県指定文化財の総数は372件になった。



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