盛岡タイムス Web News 2014年  10月  12日 (日)

       

■  子ども子育て 移行直前に県内混乱 支援新制度15年度から 私立幼稚園など 募集開始も保育料未決


 子ども子育て支援新制度が全国で始まる2015年4月まで残り半年を切った。しかし、国による制度の詳細に関する公表がずれ込み、県や市町村、子どもを預かる現場で混乱が生じている。県内では新制度で市町村が決定する私立幼稚園などに入園する「1号認定子ども」の利用者負担額などが園児募集開始に間に合わず遅れている。保護者の誤解を招く表現を募集案内に記載した事例があり、県が関係機関に文書通知で注意を促す事態につながった。

  ■通知で注意喚起

  私立幼稚園は15年度に新制度へ移行するか、新制度の適用される認定こども園へ移行するか、適用外の現行のまま私学助成を受け運営するか選択する。県内ではこども園を返上して幼稚園になるなど適用外を選ぶ例は今のところない。

  県によると、県内には私立幼稚園が60園あり、うち15年度に幼稚園または認定こども園で新制度移行を予定・検討しているのが7月11日時点で16園あった。認定こども園は22園(うち幼保連携型18園、幼稚園型4園)ある。

  新制度へ移行する園は、市町村が決める保育料(利用者負担額)を基に保育料を示す必要がある。盛岡市などの私立幼稚園では例年10月から園児募集を開始しているのに、市町村の決定・公表が間に合わなかった。

  原因として国が新制度上の単価を示したのが直前だったこと、それが新年度予算の確定するまでの「目安」であることなどが挙げられる。市町村では新年度予算にも関わり、新制度移行で保護者負担が増えないようシミュレーション中のため公表が遅れている。

  そうした中、新年度の募集案内に園が独自設定した保育料が示されたり、新制度で保護者に支給されない就園奨励費の給付が明記されたりした。保育料は変更になる可能性があることを保護者に周知する必要がある。

  このため県は「保護者の誤解を生じる恐れのある表現」として、1日付で市町村と私立幼稚園に文書通知し、注意喚起を図った。

  ■盛岡広域も温度差

  盛岡市内には私立幼稚園が19園、認定こども園が6園ある。うち1幼稚園が認定こども園移行を検討中。滝沢市とまたがり、広域調整の必要な園もある。

  移行によって保育料が値上がりする逆転現象が起きないよう保育料算定に時間がかかっている。他県の自治体で低額の保育料が示される事例もあり、市の作業は難航している。市保健福祉部の石橋浩幸子ども未来課長は「11月の園児の受け付け開始前に示せれば」と作業を急ぐ。

  滝沢市健康福祉部児童福祉課によると、同市内の私立幼稚園3園のうち新制度移行を決定した園はないが、来年度以降検討している園もある。このため11月には保育料見込みを示したい考え。

  紫波町生活部福祉課こども室によると、同町内は私立幼稚園が4園あり、認定こども園移行、新制度移行を検討している園もある。園児募集は前年同様11月から開始予定で「誤解」は起きていないが、保育料を「公表できる段階にない」と、時期を未定としている。

  矢巾町住民課児童係によると、同町内には2月に認定こども園に移行した1園のほか幼保連携型認定こども園移行を検討している保育所が7月時点で3園あった。同係では「来年4月の入園者数がおよそ決まった段階でないと負担の軽減率などを出せない。保育料が今とかけ離れたものにならないよう調整が必要だ」と話す。

  盛岡広域市町でも、保育料の決定や公表に温度差が見られる。

  ■混乱いつまで続く

  私立幼稚園や認定こども園では新年度から入園を検討する保護者の園選択に影響が出ている。同時に在園児の保護者も負担が増えるかもしれない新制度に「なぜ無理をして移行するのか」と懸念の声が漏れている。

  11月には盛岡市などで保育園の募集も開始される。国の制度概要が固まらず、制度の理解不足も含め、いつまで混乱が続くのか。見通しが立たないでいる。


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