盛岡タイムス Web News 2014年  10月  13日 (月)

       

■  〈イタリアンチロルの昼下がり〉211 及川彩子 テルマエ・アバーノ


     
   
     

 甚大な大雨被害をもたらした日本の夏。ここ北イタリアも、低温と連日雨の異常気象でした。そこで流行した鼻炎の影響もあり、以来、イタリアの温泉が大繁盛と聞きました。

  欧州でも有数の温泉国イタリア。特にアルプスの麓には、その地下茎脈を何十年も経たミネラル豊富な硫黄泉の温泉地が点在しています。アジアゴのわが家から、東へ車で1時間半、大学都市パドヴァ郊外のアーバノも、紀元前から知られる温泉地です。

  でも、日本の風呂式とは違い、温水プールのサナトリウム型。水着を着用、水中ジムや泡のジャグジーのマッサージ、サウナなどの施設を利用するのです。時には、医師の診断書を持ち、プログラムに従って保養します。

  そんな様式の違いから、二の足を踏んでいた温泉好きの私たち家族ですが、先週末、初めてアーバノに出掛けました。

  アーバノの街に入ると、ほのかに漂う硫黄の匂い、目抜き通りには、屋内外プールを備えた近代的ホテルが立ち並びます。

  日本の温泉街のような風情はありませんが、どのホテルも施設は充実。そして、アーバノ名物の海草で練った泥パックを求め、専用個室前には、バスローブ姿で待つ人がずらり。

  泥は、一人当たりバケツ一杯で50`。40度もの熱い泥を全身に塗り20分。体内の関節の温め、老廃物を取り除き、体内機能を高めるのだそうです。

  パックの後は、プールの泡ジャグジーでゆったりし、日がな、仲間同士でプールサイドで過ごすのが、イタリア式裸のお付き合い〔写真〕。3食付一泊の相場は3千円ほど。長期滞在割り引きで過ごす人が多いようです。

  初体験の私たちは、泥パックは次回のお楽しみ。代わりに、古代ローマ遺跡を思わせる洞窟サウナで大満足。まさに日本を風靡(ふうび)したテルマエ(温泉)・ロマエ(ローマ)ならぬテルマエ・アーバノ。古代から、温泉効用を取り入れた先人の知恵の再発見でした。


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