盛岡タイムス Web News 2014年  11月  1日 (土)

       

■ エボラ熱対策で訓練 患者搬送や防護服着脱 県が関係の各機関に 唯一指定の盛岡市立病院 消耗品確保など課題


     
  防護服の着脱訓練。脱ぐ際は患者に接触した表側には触れないように行う  
  防護服の着脱訓練。脱ぐ際は患者に接触した表側には触れないように行う
 

 第1種感染症のエボラ出血熱の県内発生を想定した行政機関の体制を確立するため10月31日、県主催の患者搬送訓練が、盛岡市北飯岡1丁目の県環境保健研究センターで開かれた。県内唯一の同感染症指定医療機関の盛岡市立病院、県内10保健所、県警など、各種機関が参加する初めての訓練で、40人が参加。感染が疑われる患者が発生してからの搬送、搬送や治療時に着用する防護服の着脱訓練を実施し、最悪の事態に備えた関係機関の危機管理意識の共有を図った。

  エボラウイルスは体液などを通して感染するため、医療従事者への感染が相次いでいる。防護服の着用では患者との接触や飛沫(ひまつ)の侵入を防ぐため、服と手袋の間やゴーグルの着用に注意が必要と説明があった。脱衣の場合は患者と接触した表面部分には触れないよう、手袋を着けた状態で慎重に脱ぐ。こまめに手袋を消毒しながら脱衣作業を進め、1度使用した防護服は感染を防ぐために処分する。

  搬送訓練は厚生労働省のマニュアルに基づき実施。県内保健所が感染の疑いがある患者情報を探知し、患者への自宅待機の要請や県庁への連絡、その後の市立病院への移送を行った。症状は発熱のみで自立歩行は可能と想定。自宅から病院への移送では運転手とは別に、防護服を着た関係者が患者を誘導し乗車。移送車を先導する警察車両には防護服着用の警官も待機し、事故などの万が一に備える体制も確認した。

  同日の訓練に参加した盛岡市立病院担当者によると、同病院では10月20日に盛岡市保健所と連携した搬送訓練を実施。同訓練では感染疑いのある患者を病院まで搬送し、隔離された同感染症用の病床(2床)までの移動を実施した。同訓練で明らかになった課題として▽防護服など治療に必要な消耗品の確保▽陽性患者が発生した場合の他病院との連携―があるという。

  防護服は使用後に処分するため、退院までの治療には膨大な数が必要になる。同病院では、エボラ出血熱を含む同感染症患者の入院治療が必要な場合、医療スタッフ支援などについて盛岡市内の病院4カ所と協定を結んでいる。今後は実際に入院患者への対応を想定し、具体的な連携について詳細を詰める必要があるという。

  県保健福祉部の野原勝医療政策室長は「エボラ出血熱は致死率が高いという重篤性、ワクチンなどの効果が証明されていない危険な感染症。医療従事者の感染者が多く、公衆衛生上の対策はもちろん、最新の知見を踏まえた科学的な訓練が必要。各保健所では訓練を踏まえ、具体的な想定のもとで対応を改めて検討してほしい」と話した。

  6日には市立病院の支援体制構築のため、関係病院の連絡会議が行われる。



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