盛岡タイムス Web News 2014年  11月  15日 (土)

       

■ 〈体感思観〉編集局 馬場恵 大先輩の生き方学ぶ 

 世は高齢化時代。取材相手が90歳代の高齢者ということも珍しくなくなった。以前は、記憶も、振る舞いも、年齢なりの老いを感じたものだが、最近は違う。頭脳明晰(めいせき)、言葉もしっかり。何より生きることに前向きで、多少、足腰が弱っても、手帳はスケジュールの書き込みでいっぱいという人もいる。人生の悲喜こもごもを味わった大先輩たちを前に学ぶことは多い。

  先日、盛岡市山岸3丁目に住む藤沢岳豊さん=本名誠さん=(91)を訪ねた。1973年から30年以上、川柳はつかり吟社を主宰。県内外の会員が作品を寄せる句集「川柳はつかり」を発行していた。脳梗塞を患い、川柳はつかりは、通算500号で閉じられたが、現在も川柳への情熱は変わらない。仲間が開く月に一度の句会には必ず顔を出し、町内会報にも作品を寄せる。

  一人暮らしの岳豊さん。隣に住む息子さんとの温泉巡りが何よりの楽しみだ。普通列車、快速列車ならJR全線が乗り放題となる「青春18きっぷ」で近県の温泉地へ出かけることも。

  息子さんが車窓の景色はもちろん、朝食、昼食、夕食のメニューも全て写真に残してくれるため、帰宅後は、自分なりに解説を付けてノートに整理。オリジナルの旅行アルバムにする。

  「こうしておくと見ていても楽しいでしょう」。美しい景色や広げた駅弁のおいしさはもちろん、一日一日を丁寧に生きる岳豊さんの姿勢や父を見守る息子さんの優しさも伝わってくるようで心が温かくなった。

  「真っ直ぐな暮らし 真っ直ぐいのち延び」

  書斎に掲げた自作の川柳は、日々、自分を励ましてくれる大切な一句と教えられた。「また遊びにおいで」との言葉に甘え、新しいアルバムを見に行きたいと思う。


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