盛岡タイムス Web News 2014年  12月  20日 (土)

       

■  岩手大がKEKと協定締結 全学で加速器分野の交流 ILCへの効果にも期待


     
  協定書に署名し、握手を交わす西谷学長代行と鈴木機構長(左から)  
  協定書に署名し、握手を交わす西谷学長代行と鈴木機構長(左から)
 

 岩手大(西谷泰昭学長代行)と高エネルギー加速器研究機構(KEK、鈴木厚人機構長)は19日、連携・協力に関する協定を締結した。KEKが大学と包括的な協定を結ぶのは、東北地方では東北大に次いで2件目。今回の締結により、これまで個人、研究室単位で行われていた加速器科学分野の交流が全学に広がる。将来的には本県が誘致を目指している国際リニアコライダー(ILC)などの取り組みも活発化することが期待される。

  協定締結式は同日、盛岡市上田の岩手大で開かれた。西谷学長代行、鈴木機構長が署名した協定書には▽共同研究の推進▽研究施設、設備などの相互利用を通じた研究拠点の構築▽研究者の研究交流を含む相互交流▽人材育成の推進及び相互支援▽情報発信の相互支援及び共同実施▽その他、本協定の目的遂行上必要な事項―の6項目が盛り込まれた。

  協定締結により、組織同士の枠組みが構成される。具体的には共同研究、人材の交流などが容易に行える。岩手大では、KEKの施設、設備を利用した実験なども行えるようになる。

  西谷学長代行は「KEKは世界的な研究拠点。連携を協定できるのは岩手大として光栄だと思う。改組予定の理工学部の教育研究に非常に力強い味方ができた」と語る。

  鈴木機構長は「加速器科学を日本の戦力とするため、KEKが持っているポテンシャル、岩手大が持っているポテンシャルを使い、日本全体が盛り上がるようにしなければいけない」と抱負を述べた。

  ILC誘致への取り組みとして鈴木機構長は「ILCについては近い大学が前線基地になり、さまざまなサポートをすることが必要。その意味では今回の連携は重要になる」、西谷学長代行は「岩手大は工学部のほか、文系学部もある。ILC設置だけでなく、まちづくり、教育でも貢献できる」と語った。

  岩手大からは、成田晋也教授(高エネルギー物理学)、齋藤武彦客員教授(ドイツ・マインツ大教授)らが出席。これまでもKEKと交流を持っていた成田教授は「今後はKEKに興味を持った人同士、岩手大の中での連携も進んでいく。KEK、岩手大、近隣企業のいろいろなシーズを使い、協力して研究が進められれば」と語る。

  齋藤客員教授も「締結は理工学部への改組構想もあり、非常にいいタイミングだと思う。協定締結で、KEKの資産を学生実験などに使えるようになる。全学を挙げて岩手大がILCの前線基地となる意識を持たなければ」と語った。


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