盛岡タイムス Web News 2014年  12月  20日 (土)

       

■  〈体感思観〉 編集局 大崎真士 受話器越しに有権者の本音


 「投票の機会を無駄にしたくない。でも最後まで迷ったら棄権するかも…」

  第47回衆議院議員総選挙は投票率が過去最低だった。取材を通じて有権者に投票へ行ってもらいたい立場からすると悔しい気持ちだ。同時に今回は投票先に迷う方が多くいた。

  盛岡タイムス社は国政・首長の選挙中に有権者対象のアンケートを実施する。記者はじめ他部署も総出で電話帳から無作為で電話を掛け、投票へ行くか、投票先は誰・どの政党かを答えてもらう。

  オレオレ詐欺のせいで用心する方が増えた。「鍋を火に掛けている」「お客さんが来てる」とうまくかわされたり、「うちは新聞は要りません」と取り付く島もないことも。

  それでも信用してアンケートに応じ、投票先まで答えてくれる市民の厚意を、選挙情勢の分析に役立たせてもらった。迷う理由を本音で語ってくれた方も多く、拝聴した。

  冒頭で紹介したのは盛岡市の女性。「世界を相手に国を引っ張る力が必要。でも安倍さんのやり方にはブレーキが必要なのに野党がだらしない。小沢(一郎)さんが民主党を離党してがっかり。こんなに迷った選挙はない」と嘆息を漏らす。

  同市の70代女性は「健康保険に関心がある。自分は支えてもらう立場なので感謝している。でも、みんな社会保障の表面しか見てない。裏側の見るべき人を見ていない。いつも同じ人が立候補している気がするし、誰に投票しても当選すればそれっきり。口先だけで知らんぷり」と、憤りを吐露した。

  迷っていた多くの有権者は投票へ行ったろうか。投票したなら、どんな思いで誰、どの政党に投票したか。候補者は何万何千もの得票でやっと当選できるにしても、受話器越しに聞いた有権者の本音のように一人ひとりの1票に込めた思いが積み上がったものだ。

  期待が大きい分、裏切られると失望や反感も増す。与野党への政治不信が低投票率に拍車を掛けている。これ以上低調になるのは看過できない。解決策と行動が必要だ。


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