盛岡タイムス Web News 2015年  3月  1日 (日)

       

■ 〈ジジからの絵手紙〉83 菅森幸一 ロケット


 

     
   
     

 いつの時代でも、男の子なら誰でも銃や火薬に興味を持つ。戦争が終わってしばらくは火薬類が世に出ることはなかったが、ジジたちが初めて遊んだのは火薬を包んだ紙粒を色あせた赤い紙に貼り付けた「ピッチ玉」という物で、ブリキのピストルに一粒ずつ切って使ったものだ。

  この「ピッチ玉」の出現で始まったのがロケット実験というはなはだ物騒な遊びだった。当時、鉛筆のキャップはアルミ製で銀色、いかにもロケットに良く似ている。これには切れ目が入ったやつと切れ目のないやつがあり、ロケットには切れ目なしがもっぱら使われた。

  ロケットの推進力にはセルロイドを細かく刻んで詰め込み、さらに「ピッチ玉」をほぐした火薬を詰める。噴出口を指でつぶすとマイロケットの完成だ。

  さて問題は発射台だが、薪(まき)を多めにくべて熱くなった教室のストーブがこの役目をする。ストーブの上に並べられた鉛筆のキャップが熱せられて白煙とともに教室の中を飛び回ると歓声を挙げて各自が思い思いの方向に逃げ回る。当然、先生に見つかったら、ただでは済まされない。危険極まりないとんでもない遊びだった。



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