盛岡タイムス Web News 2015年  3月  13日 (金)

       

■  北陸新幹線 ライバル金沢あす開業 東京から2時間半 盛岡の観光にも刺激 「雪国の古都」求心力争う


     
   3月14日に開業を迎える北陸新幹線のポスター(JR盛岡駅)  
   3月14日に開業を迎える北陸新幹線のポスター(JR盛岡駅)
 

 東京―金沢間を2時間28分で結ぶ北陸新幹線が14日、開業する。東京―盛岡間とほぼ同じ所要時間で首都圏と北陸を結び、東北の観光に強力なライバルが出現する。金沢市は「雪国の古都」のイメージで、「加賀百万石」の伝統を背景に、兼六園など豊富な観光資源を抱える。新幹線開業を機に、国内外の観光に強い求心力を発揮するとみられる。北陸新幹線に対する県内の観光業界の受け止め方を聞いた。(飯森歩)

  盛岡市のつなぎ温泉のホテル大観の佐藤康社長は、「昨年末に北陸を訪問した時、現地の人に『ようやく気軽に東北に行ける』と言われた。盛岡―金沢間が、最短片道4時間20分ほどになる。岩手の観光にとって好機ではないだろうか」と、開業を前向きに受け止める。

  「修学旅行客や金沢の高齢者の呼び込みなど、新たな市場を獲得できる。太平洋の海の幸や郷土芸能などを発信し、互いに送客する仕組みを作れば、相互の交流事業も増加する」と相乗効果に期待する。今後の観光業界や施策について「北陸は何としてでも活性化させようと相当、努力したはず。我々も被災地という支援されるだけの立場から脱却し、自立運営に転換する時期」と意気込む。

  JTB東北法人営業盛岡支店の堀内紀孝支店長は、「当社で上半期(4―9月)に東北キャンペーンを行う。県外からの誘客を促し、東北地域の観光をバックアップする」と、改めて地元に、てこ入れする。県の観光については、「民間を主体とする官民の連携。宿泊施設や関連団体が知恵を出し合い、県に施策案を提言する体制づくりが必要ではないだろうか」と提起。「数ある団体や組織が、束となってPRする土台づくりも必要と感じる」とも話した。

  盛岡市中ノ橋通1丁目の東家の高橋大専務は、「北陸新幹線の域内100万人の人たちが、岩手に来るのを期待できる」と好意的に捉える。県の観光業の取り組みについて、「官民連携ではなく、官に頼らず民間だけで取り組む意識づくりが必要。補助金に頼って予算を取り合えば、協調関係や協力体制など生まれるはずがない」と、自助努力を唱える。

  観光PRの仕方について「岩手は、北陸と同じような気候下で伝統芸能もある。『岩手は何でもありますよ』ではなく、具体化し、盛岡に来る強い動機付けをする」と話し、「さんさ踊りをPRしても、実際に来た時に見られる場所はどこにもない」と、アピールの課題を指摘する。

  同市内丸のもりおか歴史文化館の楠田明日美アテンダントリーダーは、「旬なものに客が流れるのは仕方ない。岩手の魅力を発信し続け、客に岩手を選んでもらうことに尽きる」と、地道な努力を強調する。盛岡の魅力について、「金沢のように連続性のある景観が盛岡にはないが、単発的にある建物を発見できる楽しさや、鉄瓶や染物織物は、クラフトが好きな女性には人気だ。象徴的に突出しているものはないが、それが逆に良さである」と話し、観光資源に磨きをかける。

  盛岡市商工観光部観光課の小笠原千春課長は、「首都圏や中部地方の客の流動はあるものの、新幹線の本数と宿泊のキャパを考えても、過剰に北陸に集中はしないと思っている。逆に、旅行の多様性が高まる中で盛岡のPRをすれば、流動はさらに抑えられる」と受け止める姿勢。「これまでと同様、首都圏以北へ観光情報を発信し、更なる集客を仰ぎたい」と話した。


本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします