盛岡タイムス Web News 2015年  4月  12日 (日)

       

■ もりおか復興支援センター 発災5年目「心の危機」 金野万里センター長に聞く

     
  被災者が抱える課題に「パーソナルに寄り添いたい」と話す、もりおか復興支援センターの金野万里センター長。沿岸の現状を伝えるパネル展示も充実させた  
   被災者が抱える課題に「パーソナルに寄り添いたい」と話す、もりおか復興支援センターの金野万里センター長。沿岸の現状を伝えるパネル展示も充実させた
 

 一般社団法人SAVE IWATEが盛岡市から業務委託を受けて運営している、もりおか復興支援センターは4月から、首都圏と沿岸地域とのマッチング事業など新たな業務も加えスタートを切った。沿岸から盛岡に避難している内陸避難者のセンター登録数は約650世帯、約1300人(3月末現在)。発災から丸4年が過ぎ、経済的な格差が「心の復興」に与える影響など新たな課題も指摘されている。新年度の取り組みについて金野万里センター長(56)に話を聞いた。

  −発災から丸4年。どんな活動に力を。

  金野 内陸避難者の生活支援▽盛岡市内のボランティアや企業・団体などの沿岸被災地への視察送迎▽首都圏の支援ニーズと沿岸被災地のニーズとのマッチング−の3業務が主な柱になる。

  一般的に大災害後の5年目は、心配な時期。これまでは困窮世帯などを中心に密度の濃い訪問活動をしてきたが、一度、全世帯を訪問し直し、正確な状況把握に努めたい。経済的に困窮していなくても、定年退職後に予定していた楽しい計画がすべて駄目になったなど、精神的ダメージを抱えている人は少なくない。盛岡に拠点を移すことを決めた人であれば、新しいコミュニティーの中で、うまく暮らしているか、よく確認していかなければいけない。

 −市の復興推進関連事業が集約され、もりおか復興支援センターが担う役割が増えた。

  金野 スタッフはセンター長や副センター長も含め17人。一人が何役も兼任し、一丸となって取り組まなければいけない。復興に関わる市全体の予算は減ったが、縮小とは考えず、復興のステージに合った支援に効率的に取り組んでいきたい。

  基本的には、地元に無事、帰還していただくのが大きな狙い。災害公営住宅の入居募集や高台への防災集団移転など、応募に期限のある事業に遅れることがないよう正確な情報をつかみ、かみくだいて知らせる努力をする。新しい町内会の発足など、現地でなければ分かりにくい情報も多い。スタッフが沿岸に頻繁に足を運んで収集し、伝えたい。

 −センターは首都圏と沿岸被災地とをつなぐ役割も担う。

  金野 産業の活性化や復興に直接寄与できれば最高だが、まずは、首都圏の企業の被災地視察の積極的な受け入れや、ボランティアと被災地のニーズとのマッチングなどを続けたい。互いの顔が見える支援をピンポイントでつなぎ、継続的な関係を築くことは、双方がやりがいを感じられて効果的。意識して進めたい。やっただけで終わらせず、取り組みを知ってもらえるよう発信にも力を入れたい。

  −盛岡市民に伝えたいことは。

  金野 積極的にセンターに足を運んでもらい、沿岸地域の情報に触れてもらいたい。被災者が集うサロンやサークル活動では、実際に多くの市民ボランティアが活躍している。県都盛岡が復興のために寄与すべき責任を、ともに感じていきたい。センターだけでは難しいことも多い。市民の方々も巻き込んで大きな支援につなげていきたい。


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