盛岡タイムス Web News 2015年  4月  14日 (火)

       

■  〈イタリアンチロルの昼下がり〉224 及川彩子 ハンガー・バーガー


     
   
     

 最近、ここアジアゴのわが家近くに、イタリア式ハンバーガー店が開店し、人気を集めています。その名も「ハンガー・バーガー」。

  今や世界のハンバーガーの代名詞は「マクドナルド」ですが、夏は避暑、冬はウインタースポーツでにぎわう、ここアジアゴ高原の町には、1軒もありません。

  各自治体で法的に規制していることもありますが、ピザを愛するイタリア人には、アンチ・マクドナルド派が少なくありません。街のマック各店でも、イタリアのパンを使用するなどアレンジし、エスプレッソのコーヒーコーナーもある場合が多いのです。

  本来、遊牧民族が、硬い馬の肉を食べやすくひいたのがひき肉の起源。それがドイツのハンブルグ地方に伝わり、俵状に焼くようになったのがハンバーグ。移民たちによってアメリカに渡り、現在の丸いパンに挟むハンバーガーは20世紀のアメリカで生まれました。

  イタリアのハンバーグは、上質のひき肉を使い、塩とコショウだけで味付けして焼いたシンプルなもの。素材にこだわっています。

  娘たちにせがまれ、さっそくハンガー・バーガーに出掛けると、若者たちで大繁盛。新鮮な牛肉なので、焼き具合もレアから堅焼きまで、注文できる本格派のハンバーグに、アジアゴチーズや、ぺペローニという、甘みの強い巨大ピーマンの薄切りをはさみ、サラダにはピーナツやブルーベリーのソース、揚げチーズと、ご当地の味満載なのでした〔写真〕。

  世界中どこへ行っても同じ味は安心ですが、その風土から生まれてくるものにこそ、新しさも豊かさもあるのでしょう。

  先日の週刊誌に、先ごろ英国で「本のネット注文の大手メーカー、アマゾンの無料配達使用禁止例」が可決されたとありました。安さゆえ、ネット購入者が増え、地元の本屋の存続が危ぶまれているからだそうです。

  マック文化に侵食されず、イタリアのハンバーガーを守る気持ちを応援したいものです。


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