盛岡タイムス Web News 2015年  5月 13日 (水)

       

■  〈花林舎流庭造り〉32 野田坂伸也 クロフネツツジノ人気上昇


     
  クロフネツツジは自然風の庭の風景に合う  
 
クロフネツツジは自然風の庭の風景に合う
 

 2〜3年前から植木の販売店にクロフネツツジが並ぶようになりました。クロフネツツジは、朝鮮半島北部や中国の東北地方原産のツツジで、日本には江戸時代中期に導入されたのですが、外国船の到来にちなんで「黒船」と命名されたとのことです。やや大型の、桜色とも言えるほんのりと赤い上品な花は落葉性のツツジの中で最高に美しい、と言われています。私はもう50年も前に北海道大学の植物園で見てその美しさに魅せられたのですが、その後、長い間、苗を販売しているところが見当たらないのが不思議でした。

  ところが、最近になって急にあちこちで見かけるようになりました。その理由は分かりませんが、この美しいツツジが普及するのはうれしいことです。3年ほど前に小岩井農場の植物販売場に高さ2b以上の大きなツツジが展示されていて、遠目にも素晴らしい美しさであれは何だろうと近づいてみるとクロフネツツジだったのです。ため息の出るような淡麗な美しさでした。今はどこの庭で咲いているのでしょうか。

  現在は価格が他のツツジの2〜3倍するので買いたいけど迷っている人も多いと思いますが、クロフネツツジは挿し木繁殖が難しく、種をまいて苗を作ると挿し木の場合より開花までに2〜3年余計にかかるのが、他のツツジより高い原因ではないのかと推測しています。また、原産地が寒冷地ですから寒さには強い半面、暑さには弱く、東北南部以南では一般の人には栽培が難しいため販売量が多くならない、ということも生産が増えなかった理由の一つでしょう。

     
  左側の花は赤みが濃く、右側は薄い  
 
左側の花は赤みが濃く、右側は薄い
 


  開花期はヤマツツジとほぼ同じでレンゲツツジより少し早く、観賞期間は10日前後です。葉は大きめで光沢はなく刈り込みなどには不向きですから、自然風の樹形に育てるのが良いと思います。樹高は6〜7bにも達するとツツジの本には書いてありますが、そのようになったらさぞかし見事でしょう。もっとも、条件に恵まれてもその大きさになるまでは50年以上かかると考えられますが。

  このツツジの魅力をよりよく発揮させるには、前にも書きましたが丸く刈り込んだりしないで自然樹形で育てるのが適しています。どちらかと言えば、日本庭園スタイルには似合わずガーデニングスタイルや雑木の庭に合います。

  種をまいて苗を作ってみると、花色の赤みが濃い苗と薄い苗が出てきます。濃い目の方が美しいと感じる人が多いようですが、人によって好みは違いますから、開花株を買うときにはよく見比べて気に入ったものを選んでください。

  植え付けの際は、排水良好地に鹿沼土と赤玉土を半々に混ぜた用土をたっぷり入れて植え、根元にわらや刈り草を10aくらいの厚さに敷いて乾燥しないようにします。肥料は酸性の化学肥料(過リン酸石灰、硫安など)を少量やってください。


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