盛岡タイムス Web News 2015年  6月 8日 (月)

       

■  〈幸遊記〉230 高橋久祐の外山森林公園 照井顕


 「今、外山森林公園で“ハタケシメジ”が大量にとれてるんだって」とタブレットを見ながら女房の小春。「キュースケくんか?」と聞けば「そう、配達もしてくれるって!」というので「じゃ頼んで!」で5月4日持参してくれた。

  その彼、高橋久祐さん(36)は盛岡森林組合の職員で盛岡市外山森林公園の管理人。外山から浮かんで来るのは、民謡外山節にうたわれる“日陰のわらび”。公園内入り口の「外山そば屋」売店にある“わらび漬け”はまさに絶品!年に1、2度外山に食べに行くようになって10年余りになる。

  昨年の秋には、スウェーデン在住のジャズピアニスト、ケイコ・ボルジェソンと一緒に行ったら久祐さんが公園内を案内して、キノコの話でケイコさんと盛り上がり「スウェーデンにキノコ採りにいらっしゃいよ!」となった。それは、山に関することに精通する久祐さんという若者の研究熱心さと、その実践している姿に感動したからなのだった。

  彼は紫波町上平沢の自宅から1時間以上かけて車で通勤するスーパー木こり。現在90才になる俊子おばあちゃんに、家の跡継ぎとして洗脳?されて育ち、幼少から田畑の手伝い、ニワトリの世話、犬の散歩、牛の乳しぼり、牛乳缶を道まで一輪車で運ぶなどしながら紫波高校農業科、そして秋田県立短大農業科へ進んだ。小学校の時、友達に誘われて入ったボーイスカウトは大学時代までやり、指導者にまでなったほどのアウトドア派。

  その趣味が高じての林業作業士。グリーンツーリズム・コーディネーターなどなど、さまざまな資格と顔を持つ。「何事も、興味あればとことんやるもの!運は努力の積み重ね」そう言いながら、しいたけ、まいたけ、ひらたけ、くりたけ、たもぎたけなど12種類ものキノコ栽培。そのキノコや山菜をのせた、外山の地粉で打ったそばを食べに、1日数百人が訪れるすごさ。

  東京ドーム20個分もある91ヘクタールの森林公園は山菜の宝庫でもあり、彼は毎日ソバを食べ山を歩くこと半日。草刈、植林、木登り、炭焼き、リース作り。夏のキャンプ、野活ゲームの指導等々、体がいくつあっても足りないのに、何とその満ち足りた毎日を12年間も続けている自然体児なのだ。子どもは5才になり、親戚のアベがいるサッカーに夢中だ。
(カフェジャズ開運橋のジョニー店主)


本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします