盛岡タイムス Web News 2015年  6月 24日 (水)

       

■  紫波町議選 町制60年で初の無競争 定数と同じ18人立候補で当選 新人7人 議員活動に一層厳しい目


     
   紫波町議選のポスター掲示板。無投票を意識してか、全陣営がそろう時間も遅かった(23日午前11時45分ころ、同町日詰地区)  
   紫波町議選のポスター掲示板。無投票を意識してか、全陣営がそろう時間も遅かった(23日午前11時45分ころ、同町日詰地区)
 

 任期満了に伴う紫波町議選(定数18)は23日告示され、18人のみが立候補を届け出し、無投票当選となった。1955年4月の町制施行以来、選挙戦が行われないのは初めて。定数2減後、初の改選は19陣営の争いが濃厚とみられていた中、告示直前の現職の勇退で情勢が一変した。選挙戦を経ずに新人議員7人が一挙に当選し、女性議員は過去最多の6人となった。今後、町議会への町民の視線が厳しさを増す中で、当選者らは重責を担うことになる。

  定数減により、激しい選挙戦が予想されていた今回の同町議選。現職の岡田尚治氏(72)が告示直前に勇退を決め、一転して無競争となった。このほか勇退または県議選に転出する現職9人のうち、2人が後継者を擁立しなかった。岡田氏を含め当初は後継者擁立を検討していたが断念。全国的な後継者不足は、盛岡地域の議会選挙にも波及している。

  町制施行60周年にして初めての無投票。紫波中央駅前開発や公共施設の再活用など重要な課題が山積する中、町民の信任を得る機会を逸した町議会に対し、町民からは厳しい声が上がっている。

  同町赤石地区の70代女性は「お金がかからない面はいいのかもしれないが、無投票になったからこそ、住民の議会を見る目は厳しくなるのでは。地域の推薦を受けて立候補している人がほとんど。当選した議員は一層、気を引き締めて議会活動に取り組まないと、町民の支持を得られなくなると思う」と指摘。

  古館地区の60代男性は「選挙は興味があるし、毎回投票している。無投票は好ましいと思わないが、誰も出る人がいないのでは、しょうがない。今回は新人が多いようだが、選挙で戦わずに当選した議員で、議会活動は大丈夫なのか」と不安を口にした。

  女性議員数の過去最多は、2011年に当選した現職の3人。今回、倍の6人に増加したことは、女性の視点を町政に反映させやすい環境につながる。年齢も40代前半から60代前半と若く、女性の社会進出が注目される中で、議会活動発展の原動力となることが期待される。

  一方で「男性の後継者が見つからなかった」と声が上がる地域もある。新人の女性候補の大半が5月から6月中旬と告示日が迫った中、地域推薦を受けて立候補の意向を固めていた。後継者不足が、女性議員の擁立につながった一因であることは否定できない。

  「無競争はよくない」との声は各地で上がっていたが候補者の擁立には届かず、町制施行60年で初の無競争は人材不足、不十分な後継者育成を浮き彫りにさせた。当選した各議員は、町民からの厳しい視線の中で議会活動に励み、加えて次世代に向けた人材発掘や後継者育成に取り組まなければならない。地域や町の将来を見据え行動しなければ、無投票当選した今後の議員活動の中で、町民の信任は得られないだろう。


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