盛岡タイムス Web News 2015年  8月 15日 (土)

       

■ 体感思観 地獄にゾクゾク脈々と 藤澤則子


 あす8月16日は送り盆。今年は選挙の告示日と重なってしまったが、ご先祖の霊を送る大切な日に変わりはない。

  この夏は、お盆を含む夏休みにふさわしい、親子で「ゾゾッ」と楽しめるイベントが開催中だ。盛岡市鉈屋町のもりおか町家物語館で30日まで開催の高橋克彦プロデュース・ぼくらの時代「お化け屋敷」。長内努同館長も「お話に出てくるようなお化けも出てくるので、ぜひ家族で見て会話のきっかけにしてほしい」と熱心に話しており、尻込みする子ども3人の手を引いて暗幕の中に飛び込んだ。

  内容については、ぜひ実際に足を運んで見てほしいが、「怖い、怖い」と背にしがみついていた子どもたちにも印象に残った一場面があったようだ。聞くと、「おじいちゃんちの仏様の部屋で見た」という。

  お盆・16日といえば、強く印象に残っているのが「地獄絵」の掛け図。私自身が子どものころは、お墓参りのあとにお寺の本堂の奥で見たことを記憶している。結婚してからはお盆期間中、夫の実家の仏間で家族そろって見るようになった。

  「なぜこの人は地獄に落ちたのか」「なぜ子どもが河原で石を積んでいるのか」。地獄絵の場面の一つ一つについて、祖父から解説を聞く子どもたちは、やんちゃさも潜め神妙だ。

  8月16日は、(本家などの)仏様を拝みに行く「藪(やぶ)入り」に当たり、同じ藪入りの1月16日にも地獄絵図が掛けられている。義父によると、かつて3代にわたって善知識(ぜんちしき)を務めていた関係で、地獄絵図も所有していたのではないかという。

  「都南村史」の宗教編「民間信仰」の項にも「かくし念仏」の布教活動を行うものとして善知識が紹介されており、旧都南村内見前・飯岡地域に多くの相承者が散在していたことが系図として残っている。

  「昔は、3、4歳ぐらいの小さい子どもがたくさん来て仏様の話を聞いていた」とも。子どもたちもお盆には地獄絵図を見て、幼な心に善悪というものを感じていたのだろうか。地獄絵図には極楽も描かれている。毎年迎えるお盆、善悪を考えるすべが現代にも受け継がれている。
 


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