盛岡タイムス Web News 2015年  8月 23日 (日)

       

■ リノベーションまちづくりを注入 地域の持続発展狙い 紫波町 日詰の旧中心市街地で


 

     
  リノベーションまちづくりの舞台となる日詰商店街  
  リノベーションまちづくりの舞台となる日詰商店街
 

 紫波町の日詰商店街を核とした旧中心市街地で、地域の持続発展を狙う「リノベーションまちづくり」へ向けた取り組みが始まっている。商店街の空き家や空き店舗で、不動産オーナーの協力の下で「家守」と呼ばれる民間事業者が活動を展開し、地域課題の解決を目指す。同町では家守塾を開催し、人材育成を開始したほか、有識者によるトークライブも実施。9月下旬には一般参加者が遊休不動産の活用法を学び、事業提案まで行うリノベーションスクールも開催される。

  同町は有識者や地元事業者、不動産オーナーら11人で構成する日詰リノベーションまちづくり検討委員会(委員長・清水義次アフタヌーンソサエティ社長)を設置。現在、まちづくりの指針となる構想について協議している。

  家守は江戸時代、所有者から物件を借り受けて管理する役割だった。遊休不動産を活用し都市、地域経営課題を解決する人が現代版家守とされている。同塾は町、まちづくりプロデュースなどを行うアフタヌーンソサエティ(東京都)の主催。

  日詰地区で家守をやりたい人、家守と一緒に物件を活用したい不動産オーナーら17人(うち町内7人)が参加している。20代前半から60代までの幅広い層が集結した。日詰で始まるまちづくりへ向け、新たなアイデアによる取り組みへ注目が集まる。

  実際に事業に着手する家守には成果を地域に還元し、地域発展への相乗効果を生むことが求められている。地域活性化を通し、家守の事業や商業の発展につながる連鎖を作り出すためにも、パブリックマインド(公共心)を持った民間事業者が必要とされる。

  町では5月、商店街付近に点在した町役場機能が、JR紫波中央駅前に完成した新庁舎へ移転。本庁舎、教育委員会、保健センターなどが駅前に集約されることによる、商店街の空洞化は以前からの課題だった。商店街ではこれまで、車道の6カ所で幅員を狭め、車を減速させ歩行者の安全を確保する「くらしのみちゾーン」の導入(2008年)など、商店街の利便性向上などに向けた取り組みを実施してきた。一方、空き店舗、空き家が多い状況は続いており、今後展開される新たな取り組みへの期待は大きい。

  08年当時、商店会長として事業の先頭に立ち、現在は同検討委員会にも参加している野村晋さん(73)は「リノベーションまちづくりは、これまでの商店街での取り組みの発想とは異なるもの。新しい取り組みの芽生えであり、歓迎したい」と話した。

  オガールと日詰(商店街)の両輪による町の発展。前町長の時代から、合言葉のように言われてきた。リノベーションまちづくりの始動により、日詰の街にもようやく光が差し始めている。


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