盛岡タイムス Web News 2016年  6月 4日 (土)

       

■ 〈体感思観〉 編集局 泉山圭 街並みの変化に寂しさ



 盛岡市中ノ橋通の盛岡バスセンターが9月末でバスターミナル機能を廃止し、年度内にも建物の解体が予定される。同センターは26路線427便が発着する交通拠点という大きな役割を担っていることはもちろん、盛岡市民にとっては長年親しんできた街並みの一つでもある。

  盛岡出身の私にとっても、懐かしい風景がなくなるのは、寂しい限り。小さいころはバスの使用も多く、バスセンターも利用した。外観はもちろん、当時から中のレトロな雰囲気も魅力だった。廃止が決まって以降、数年ぶりに建物中を見た。現在もある藤原養蜂場の売店で、バスの待ち時間にハチミツバタートーストを食べた記憶がよみがえってきた。

  盛岡には、急激な成長を遂げる盛南地区とは対照的に、紺屋町や鉈屋町など、市街地に風情のある街並みが多い。公会堂、紺屋町番屋など、歴史を感じさせる建物は、貴重な財産で、観光客や修学旅行生が足を止めて写真に収める姿もよく見る。

  市内では、2015年に市民活動団体などの提案に市が補助金を交付する市民協働推進事業で、鉈屋町の市消防団第2分団の旧番屋が山車庫として生まれ変わった。同市中ノ橋通1丁目の岩手銀行旧中ノ橋支店も、耐震補強や内部の復元工事などを経て7月17日に岩手銀行赤レンガ館としてオープンすることが決まった。

  一方で、建物に老朽化はつきもので、多大な費用が掛かる改修を考えると解体される建物があるのも致し方ないとも思う。

  今年2月に開催された八幡界隈(かいわい)の街並み景観像などを考える、まちなみ景観委員会キックオフ・フォーラム。パネリストから「昔の風景と今現在目の前に広がっている新しい街並みや道路がリンクできるようにすれば街歩きの楽しみが広がるのでは」との意見が出された。まさに解体される建物を含め、街並みの記憶を活用するのも新たな観光につながるのでは。


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