盛岡タイムス Web News 2016年  7月 7日 (木)

       

■  党派、地域で再編と分裂 岩手選挙区終盤の情勢 現職引退で流動化(滝沢市・雫石町) 地域ごとに与野党混戦(紫波郡)


 盛岡タイムス社は参院選岩手選挙区(改選数1)で滝沢市と雫石町、紫波郡の紫波、矢巾2町の選挙終盤の情勢を取材した。全県的に旧民主党分裂後の政界再編の動きが続く中、盛岡地域の市町では、昨年までの統一地方選や首長選のしこりが尾を引く。党派性と地域性に都市型の浮動票が絡み合い、複雑な情勢になっている。

  ■滝沢市・雫石町

  滝沢市と雫石町では、同市が地元の生活の党の主浜了参院議員の勇退や柳村典秀市長が政権与党側への支持を明確にするなど、情勢が変化している。主浜氏は2010年参院選の際、同市で約1万4千票を獲得したが、市内の支持者は「滝沢は二つに割れるだろう」と分析。同町では13年参院選で野党系町議が生活と旧民主に分裂。14年町長選では自民系町議の支持が割れた。こうした中、一枚岩となれず盛り上がりに欠けている。

  野党統一候補・無所属新人の木戸口英司氏(52)は主浜氏を中心に喜多正敏前県議、柳村一県議(無所属)らが応援。野党系の市議は両市町で「主浜後援会支持者の7〜8割は固めた」と話す。野党共闘を生かして得票の上積みを図る。

  木戸口氏支持の市議は「共闘は成功」と胸を張る。しかし、民進党の階猛衆院議員の地元雫石町では、民進系の支持層が生活党籍を持つ木戸口氏の支援に消極的な側面も。同市内の一部には「地元の候補ではない」との声もあり、主浜氏と同じ支持が見込めるかは流動的だ。

  自民党新人の田中真一氏(49)は、衆院岩手2区の鈴木俊一党県連会長、同市が地元の柳村岩見県議や自民系市町議らが応援。公明党市議や支持層も応援。柳村市長も「国との太いパイプは滝沢にとっても重要」と2日の個人演説会で田中氏支持を訴えた。

  一方、同町では、14年の町長選における自民系分裂のしこりが残り、町議の運動に温度差がある。

  また、ある田中氏支持の市議は、無党派層が多い同市での支持の広がりを測りかねている模様。鈴木氏が14年衆院選で同市で獲得した約1万票をどこまで固められるかが鍵。

  幸福実現党新人の石川幹子氏(51)は伸び悩んでいる。

  ■紫波町・矢巾町

  紫波、矢巾両町では直近の町長選や県議選の影響が残る。そのため態度保留者も多く、盛り上がりに欠けている。今後、投開票日にかけて有力者の態度表明などにより状況が一変する可能性もあるが、現時点では流動的な要素が多い。

  無所属新人の木戸口英司氏(52)は、両町内で従来の達増知事の基盤を軸に、幅広く支持を集めている。野党統一候補として紫波郡内でも一定の結集は図られ、野党関係者らが連携した動きをみせる。

  自民党新人の田中真一氏(49)は、自民基盤の強い紫波町を中心に浸透を図る。一方で、13年に続き2度目の出馬だが知名度不足は否めず、ある関係者は「有権者の反応が鈍い」と苦言を呈している。

  幸福実現党新人の石川幹子氏(51)は独自の戦いを進める。

  紫波町では、2014年の町長選は元県議で自民クラブだった熊谷泉町長が当選。昨年の県議選では「保守系無所属」の田村勝則氏が当選し、自民党公認候補が落選した。だが、熊谷町長の支持基盤は農村の町東西部、田村県議は市街地の町中央部で、それぞれの地域代表の立場が強い。そのため、従来の政党基盤が参院選で機能するかに注目が集まる。

  町長選、県議選とも自民系町議が分裂し、自民党紫波支部で一枚岩ではなかった。また、田村氏の支持者には反自民層も多い。だが今回、県議選で田村氏陣営だった町議も田中氏支持に回り、3日には田中氏の個人演説会に田村氏が出席。態度保留とみられていた有力者の動きで、情勢に変化が表れそうだ。

  矢巾町では、県内政財界などの介入で地域が分裂、混迷した昨年の町長選のしこりがいまだに残る。県議選ではその払拭を狙い、町長選で争った2陣営が協力したが、実質は高橋昌造町長の後援会を軸に臼澤勉県議を推す形になった。

  町長選の投票率67・5%と比較し、県議選の同町での投票率は49%。町が四分五裂した昨年の選挙の影響はいまだ残る。態度保留の町内有力者も多い。昨年の町長選の陣営関係者も「動きが取れない人が多い。読めない」と漏らした。


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