盛岡タイムス Web News 2017年  3月  5日 (日)

       

■ 紫波町内蔵元など 杜氏の里の芳香高める 関東の学生らインターン サケ・タウン・プロジェクト

     
  酒蔵を巡るツアーを企画した高橋さん、塚崎さん(右から)  
 
酒蔵を巡るツアーを企画した高橋さん、塚崎さん(右から)
 


  紫波町が地方創生事業として実施している「SAKE TOWN SHIWAプロジェクト」の一環で、町内の酒蔵やワイナリーでは関東圏を中心とした学生が特色ある取り組みを展開している。2月上旬から3月中旬までの実践型インターン(企画運営・NPO法人wiz)で、各社の業務を経験した上で、各学生がイベントなどの企画・実施を手掛ける。学生は関東圏を中心に8人が来町。インターン開始から約1カ月となり、学生目線の魅力的な事業が展開され始めた。インターン事業は18日まで行われる。(山下浩平)

 ■若者向けツアー

  紫波町土舘の吾妻嶺酒造店(佐藤元社長)のインターン生、高橋智宏さん(立教大1年)と塚崎りさ子さん(同2年)は3月10日、「紫波町内の酒蔵を巡るツアー」を実施する。日本酒離れが進む20〜30代の若者世代をターゲットにしたもので、おいしさに加え、各酒蔵の酒造りへの思いや酒蔵ごとの特徴の違いを知ることで、日本酒の魅力を伝える。

  ツアーは午後1時にJR紫波中央駅前を出発し、同5時半までに同酒造店と月の輪酒造店(古館地区)、廣田酒造店(水分地区)を回る。各蔵元と直接話すことができ、酒造りの工程に加え、日本酒の歴史、酵母の工夫や酒かすの活用など、蔵独自の特色が感じられる内容だ。

  「若者に日本酒を知ってもらう『きっかけ』を作ろう」との思いで企画。いわゆる「若者の日本酒離れ」が進む中で、実際に酒蔵の仕事に携わり酒の魅力を知った2人が、同じ若者の目線で楽しめる工夫を凝らした。

  高橋さんは「企画を作っても、実際の開催まで手掛けられる機会はめったにない。ツアーを行うために店舗や行政との調整など、貴重な経験を積むことができた。中央でも紫波の酒を扱っている店があるので、そういった所にアルバイトなどで入り、もっと深く日本酒に関われたら」と力を込める。

  塚崎さんは「今まで日本酒を飲むことは全然なかったが、インターンを通しておいしさ、魅力に気付けた。音楽イベントのDJをしているので、大学に戻ってからも、そういった場と日本酒をつなぎ合わせたものを開催しても面白いと思う」と経験を生かした今後の活動へ夢を膨らませた。

  ツアーは参加無料(試飲代は別途)、定員10人。フェイスブック上の同イベント用ページから申し込める。問い合わせは吾妻嶺酒造店(電話019−673−7221)まで。 

■酒かすの有効活用

  また、月の輪酒造店(横沢孝之社長)のインターン生の山本容子さん(東京家政大2年)は、酒かす料理の提案に取り組む。同町日詰の藤屋食堂の鷹觜賢次さん(48)と共同で研究。2月下旬には紫波郡内の飲食店主らを対象に、酒かす料理8品を提案した。

  風味豊かな大吟醸の酒かすを使ったクリームブリュレ、三陸産カキを使った酒かすグラタンなどを提供。調理法によって酒かすの風味の立ち方が変わるといい、料理ごとに最適な酒かすの分量を導きだすことが最大の難関だったという。提供された品は他の素材との調和が取れ参加者が舌鼓を打ち、酒かすの新たな魅力に気付く機会になった。

  山本さんは「かす汁や、かす漬けはありふれているので、今までにない料理を作りたかった。これらの品を店で取り入れてもらいたい。お酒だけではなく、酒かすを使った料理が町内で提供されることで、町の発展にもつながれば」と話していた。


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