盛岡タイムス Web News   2017年  7月  10日 (月)

       

■  大沢坂峠(秋田街道の古道)に脚光を 復活を期し環境整備へ 馬と曲り家のおおさわ村 山仕事くらぶと3年計画


     
  森の奥へ続く道を調査する山仕事くらぶのボランティア  
  森の奥へ続く道を調査する山仕事くらぶのボランティア
 

 滝沢市大沢籠屋敷のNPO法人馬と曲り家のおおさわ村(齊藤文一郎理事長)で、宮沢賢治ゆかりの秋田街道の古道「大沢坂峠」を復活させるプロジェクトが進んでいる。県のいわての森林づくり県民税を活用し、協力するNPO法人森林ボランティア山仕事くらぶとともに整備。事業の採択が予定される7月以降に本格的な整備を始め、3年間で完成させる。6月には24日と25日に道をふさぐ倒木などの現地調査が行われ、100年前の古道復活に向け動き出している。

  整備する古道は、盛岡市から秋田県へ抜ける輸送路・秋田街道のうち、滝沢市大沢湯の沢地内から雫石町小岩井方面に抜ける峠道。かつて宮沢賢治が岩石採集をしながら歩き、「大沢坂の峠は木々も見えわかで/西のなまこの雲にうかべぬ」(賢治詩集より)など賢治の詩歌に詠まれている。

  馬と曲り家のおおさわ村によると、かつては大沢坂峠、篠木坂峠、鬼古里坂峠など複数の道があり、雫石町七ツ森の北側に通じていた。江戸時代に現在の滝沢市大釜を経由する街道が整備され、現代に入り国道46号など幹線道路が整備されてからは、馬車道として使われなくなっていた。

  同法人は、宮沢賢治ファンを地域に呼び込む観光振興と人の手が入らず荒れた森林環境の改善を目的に企画。子どもたちに森林整備の必要性を学んでもらう他、案内標柱や「休石」「湯つぼ」「久助転ばし」など、地域で伝承される峠道各所の由来の表示柱を建てる。

  6月24日は山仕事くらぶの平賀幸雄理事長ら6人が、山主の許可を得て調査に入った。道幅は1b前後。峠道には入り口に大きな木が倒れ、道をふさいでいた。奥に進むにつれ倒木は多くなり、関係者は倒木がある場所などを確認。今後はどこから作業するか話し合った。

  協力する平賀理事長は「峠道は100年前の面影を今も残している。古道と言えば世界遺産の熊野古道が有名だが、大沢坂峠は熊野古道・岩手県版になると思う」と期待。

  馬と曲り家のおおさわ村の藤倉恭一事務局長は「大沢地域には伝承や歴史など観光資源が多い。それを生かしながら、森林整備の大切さも次世代に伝えたい。秋田街道ができる前は人と馬で越え、賢治が岩石を拾い歩いたという道は当時のまま。多くの賢治ファンに足を運んでもらいたい」と話していた。
(戸塚航祐)


本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします