盛岡タイムス Web News   2017年  7月  12日 (水)

       

■  五輪見据え選手育成 県体協が新事業 コーチや競技団体研修


     
   中竹氏の指導を踏まえ、競技スキルを伝授し合う研修会に参加したコーチたち  
   中竹氏の指導を踏まえ、競技スキルを伝授し合う研修会に参加したコーチたち  

 県体育協会は、希望郷いわて国体のレガシー(遺産)を継承する新規事業を2017年度から始めた。20年の東京五輪やその先を見据えた国際舞台で活躍する次世代のトップアスリート育成へ、県補助事業を活用。コーチ陣や競技団体組織のレベルアップも含め、活動を支援する。11日はトップコーチ活動支援、競技団体組織マネジメント支援の両事業の全体研修会が開かれた。

  講師はいずれも、早稲田大ラグビー蹴球部監督などを経て日本ラグビー協会初代コーチングディレクターの中竹竜二氏が務めた。

  トップコーチ活動支援事業では、県内各競技のトップコーチ、準トップコーチ、次世代トップコーチ約10人が参加。練習のマネジメントについて理解を深めた。

  中竹氏は練習のマネジメントとして、自ら考案しビジネスにも活用されている「GPDRサイクル」を紹介。マネジメントサイクルPDCAのプランの前にゴール(G、目標設定)を示す必要性を強調。その上でプレビュー(P、計画・準備)、デシジョン・メイク(D、決定・実行)、レビュー(R、振り返り)を回すよう勧めた。

  計画を重視するあまり、選手の状況などにより効果が望めないメニューを練習させるより、コーチが状況を見て決定・実行するべきだと説いた。

  5人1組になり、1人3分の持ち時間で各競技のスキルを他の4人に伝授する演習も行われた。中竹氏はスキル習得に▽知識(ルール)▽意識▽無意識―の3段階があることを紹介した。

  競技を知らない人への指導、強い相手や緊張する場面でより良いパフォーマンスをどう発揮させるか。練習のゴールをどこに設定し、どの領域・段階を教えるか明確にする大切さを伝えた。さらにコーチング4手法として「伝える」、「見せる」、「問う」、「やらせる」を挙げた。説明だけに終始せず、体験させる方が効果的と解説した。

  参加したコーチは、陸上競技で「なんちゃって競歩」、ラグビーで「自らの体を重くする方法」、スピードスケートでバランス能力のトレーニングなど、ゴールがどこか意識して取り組んだ。

  準トップコーチで盛岡南高陸上競技部の八重樫淳監督は、短距離走で重要なストライドについて伝えた。3分でコーチングする難しさを痛感した。「競技の枠を超えて伝えるのは難しかった。部員の数が多く、個々に時間をかけられない状況があり、限られた時間で伝え、実践してもらえるようスキルを上げたい」と話していた。

  参加したコーチたちは今年度、各自の競技でトップクラスの教えを受けるため、個人研修にも挑戦。県体協の事業として各自が中央競技団体などへ依頼。目標達成や将来的なゴールのために必要なスキルなどを身に付ける。

  他に新規事業では、オリンピック選手等育成・強化事業として県トップアスリート指定もある。1人20万円を上限に競技力向上活動を支援。既に40人が指定を受けた。


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