盛岡タイムス Web News   2018年   4月  16日 (月)

       

■  新入生の心ほぐす 仲間入りの5人を歓迎 復興支援学生寮で地域住民ら 「地域食堂」も新たに


     
   会食しながら交流した前川さん(奥左から2人目)、佐藤さん(その右隣)ら  
   会食しながら交流した前川さん(奥左から2人目)、佐藤さん(その右隣)ら  

 盛岡市が設置する、しぇあハート村の復興支援学生寮(シェアハウス)主催の新入生歓迎交流会は15日、同市本宮6丁目の本宮第四公民館で開かれた。学生、本宮第四町内会(鬼柳悠己会長)の地域住民ら約60人が参加し、今月から仲間入りした新入生の入寮を歓迎。同日は地域住民や東日本大震災津波に伴い内陸に避難・移住した沿岸出身者と一緒に料理や会食を楽しむ、第1回地域食堂が新たな取り組みとして同時開催された。

  2018年度、学生寮には宮古市、釜石市、大船渡市から女性5人が仲間入り。いずれも大学や専門学校などの進学に伴い、沿岸から盛岡にやってきた。5人を合わせて入寮生は12人となり、うち女性が9人を占める。

  交流会には5人中4人が参加し、先輩寮生や地域住民らと会食の準備をした。7升の米を使って臼ときねで餅つきもした。学生らと親しく交流する地元の市澤ウメヨさん(89)が衣装を来て、大黒舞を踊って盛り上げた。

  会食では、宮古や釜石で食べられるという、雑煮の餅にクルミだれを付けて食べるメニューも用意された。

  釜石市出身の佐藤貞子さん(82)も調理に参加した。自らは津波で被災した直後から、娘家族のいる盛岡市内に避難を続けている。地域食堂開催に伴い沿岸郷土食の指南役として、初めて本宮を訪れた。

  「いつも一人分だが、大人数の分を料理した。若い人が一生懸命食べてくれるので作りがいがある。パワーをたくさんもらった」と会食を楽しんだ。

  新入生の前川育緒佳さん(18)=県立大総合政策学部=は同じ釜石市出身で、雑煮の餅をくるみだれで食べるのは初体験した。

  「先輩が良くしてくれるし(出身の)釜石高校の同級生もいるので安心している。交通機関や地名は少しずつ覚えている。地域とふれあう機会が多く、見守られていると感じる」と話していた。

     
  地域住民と餅つきする新入生4人  
 
地域住民と餅つきする新入生4人
 


  前川さんと同級生だった八幡桃子さん(18)=岩手大教育学部=も「最初は寂しかったけど、地元と同じく地域の活動があると知った。私も吹奏楽部だったのでバンドの演奏に参加したい」。

  同じく新入生で大船渡市出身の水野楓さん(18)=北日本ハイテクニカルクッキングカレッジ高度製菓衛生師科=は餅つきを手伝っていた。「センターハウスでみんなと交流できる。周りにみんないてくれるので寂しさはない」と交流を楽しんでいた。

  鬼柳会長は新入生を歓迎し「安全で住みよい地域を目指しており、そのために同じ町内会として一緒に活動して」と呼び掛けた。

  交流会実行委員長の狩原真広さん(20)=岩手リハビリテーション学院3年=は開会あいさつで「新入生は、ただ住む・通学するのではなく積極的に人と関わってほしい。地域の皆さんにたくさん関わってもらい、見守ってもらえて毎日帰ってくると、ほっとする」と話していた。

  同日は、おおみや交番の黒澤孝海巡査も参加した。山田町出身で宮古市に通学していた当時、狩原さんと顔見知りだったのが縁で、準備も手伝い、開会あいさつも担当した。

  地域食堂は年6回ほど、避難者や地域と一体となって沿岸や内陸の郷土食や味覚を調理、味わうなどして開催される予定。狩原さんは「たくさんの人と一緒においしいものを作って楽しむ場所にしたい」と積極的だ。

  学生寮は2013年度に開設。3月に卒寮した7人を含め30人が巣立っている。


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