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4月22日の「紫波の酒蔵びらき」では、各酒造店で酒かすの贈呈、詰め放題などが行われた(廣田酒造店で撮影)
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紫波町の土産づくりと若者のまちづくり参画を目指す「しわみやげプロジェクト」は、オリジナルの商品づくりに向けて本格的に動き始めた。4月の定例ミーティングでは商品づくりの方向性として、酒かすを使った商品を開発することを決定。酒かすは甘酒に使用される他、近年はさまざまな料理へ活用されているが、依然として酒蔵では取り扱いに苦慮している。酒かすを使った土産の開発を通して、町内4酒蔵の魅力発信にもつなげる。(山下浩平)
酒かすは清酒醸造における副産物で、酒蔵によっては板かすなどで販売する他、アイスクリームなどに使い独自の商品を開発販売している。仮に廃棄する場合には産業廃棄物に分類されるため、廃棄費用も掛かる。
日本酒醸造の副産物である酒かすは一般的に、平均すると醸造に使用した酒米に対し20〜30%前後の割合で生じるという。もろみを絞る槽(ふね)の種類でも変わる他、大吟醸では40〜50%となるなど、製法によっても割合は異なる。町内の月の輪、高橋(堀の井)、廣田(廣喜)、吾妻嶺の4酒造店の今期の醸造により、生まれた酒かすは計約20dに上った。
酒かすは販売もしている一方で、廃棄による支出を抑えるため、イベントのプレゼント品、畜産農家に引き取ってもらい飼料として活用するなど、各酒造店とも工夫を凝らしている。
また、ミーティングでは菓子の器や付属品として、日本酒を連想させる升を使うアイデアも出た。生産コストを考慮すると土産の価格をつり上げる原因が、町産材などをうまく活用する仕組みなどができれば、より特徴的な商品開発につながりそうだ。
同プロジェクトを運営する、同町地域おこし協力隊の平真弓さん(25)は「町内で行われている学生インターン事業でも、酒蔵や町内飲食店と協力した料理開発など、酒かす利用の機運が高まっている。酒かすを利用したお土産開発が、紫波の酒造店のPRにもつながっていけば」と話している。
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