盛岡タイムス Web News   2018年   5月  8日 (火)

       

■  地域運営組織の先達へ 空き家や高齢などの課題に 紫波町創設形成支援モデル事業 赤沢と古館の2団体


     
  今後の取り組みに向け協議する、KOMABAプロジェクト実行委員会  
  今後の取り組みに向け協議する、KOMABAプロジェクト実行委員会
 

 紫波町は2018年度、住民を中心に地域課題の解決や、実情に即した地域の組み立てを担う組織の先進事例を作る「紫波町地域運営組織等形成支援モデル事業」を創設した。3月までに支援団体の公募を行い「KOMABAテラスプロジェクト実行委員会」(吉田和希委員長)=赤沢地区=、古館地区運営組織準備委員会(菊池弘士委員長)を採用。今後の地域運営、地域組織構築などの先進例を生み、町全体への波及を期す。(山下浩平)

  ■KOMABAテラスプロジェクト

  同プロジェクト実行委は、赤沢地区内にある空き家を活用し▽地域のきっかけ作りの場▽寄り合い、学び合いの場▽誰にでも居心地の良い居場所―の創出を目指す。現在、メンバーは住民と地域外の学生を合わせた6人。空き家・空き農地の増加や学童保育施設がないという課題解決を図りながら住民が集い、地域活動の種をまき、育てる場とする。

  学童保育施設(放課後児童クラブ、子どもの家)は小学生が放課後、両親が共働きの場合などに一時的に児童を預かる。通常、同施設を設置する場合、利用者10人が国の補助基準値となり、それ以下で運営する場合には厚労省への申請が必要となる。同地区は現在、児童数減少による学校再編が計画されている町東部に含まれている。

  同委員会では、空き家を活用し地域住民の居場所を作るとともに、簡易的な放課後児童の見守り機能を加える構想。将来的には法人化し、カフェスペースなど飲食の提供も見据え、地域で経済を回す仕組みも組み立てる考え。

  KOMABA(駒場)は、活用を検討している空き家の屋号。吉田委員長(31)は「赤沢と同じような地域はあると思う。駒場を赤沢における地域活動の中心とするとともに、地域活動の先駆け的な存在にできれば」と展望する。

  今後、空き家敷地内のワークショップで地域住民に参加を募りながら、地域への活動周知とニーズ調査を行う予定。

  ■古館地区運営組織準備委員会

     
  実行委の設立へ、検討を進める古館地区運営組織準備委員会  
  実行委の設立へ、検討を進める古館地区運営組織準備委員会
 

  古館地区では、これまでに住民主体で積極的に行われてきた福祉、防犯、教育などについて、その地域活動の中心となる実行委員会の設立と運営を目指す。拠点は古館公民館を想定している。

  現在、同準備委員会を設立し、一般住民14人が実行委の体制づくりに向け、検討を進めている。方向性として、各種団体の役割の整理、機能が集中している団体の負担を軽減し、必要な役割や活動が円滑に行える仕組みの構築を目指す。

  同地区では住民の自然減に加え、定年後の再雇用や女性の社会進出などによる、地域の担い手の減少に危機感を募らせる。現状の住民活動は活発な一方で、団体間で活動内容や人員が重複する部分もあり、効率的な運営が図れていない側面もある。

  これらの課題解決により、高齢化が一層進む地域における生活支援など、重要となってくる取り組みへ実行委を通して必要な人手を割けるような組織、地域づくりを進める。

  町では国の集落支援員制度を利用し、前古館公民館指導員の水本千恵子さん(49)を委嘱。水本さんは「まちづくり支援員」として専属で取り組む。

  水本さんは「10年後に対応するためには、一番、地域に力や人材が備わっている今、行政に頼らない仕組みを作る必要がある。将来、買い物や通院の移動手段、除雪など高齢化による自分たちの困りごとを地域内で解決し、その中で地域にお金が回る仕組みを作りながら、地域を支えられる体制を作りたい」と話している。

 


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