盛岡タイムス Web News   2018年   5月  18日 (金)

       

■  オーダーメードで運動療法 生活習慣病患者を対象に 盛岡市立病院で導入 医師と理学療法士が連携


     
   オーダーメードの運動療法に力を入れる盛岡市立病院の佐々木敦美医師、宮田悠里理学療法士(奥左から)  
   オーダーメードの運動療法に力を入れる盛岡市立病院の佐々木敦美医師、宮田悠里理学療法士(奥左から)
 

 糖尿病や肥満、高血圧、高尿酸血症などの生活習慣病は、食事療法、運動療法、薬物療法が基本とされるが、このうち運動療法に関しては科学的知見が少なく、食事、薬物の各療法に比較して取り組みが難しい。盛岡市本宮の盛岡市立病院では、医師と理学療法士が連携し、患者一人ひとりに合わせたオーダーメードの運動療法を2018年から本格的に開始した。体育施設の利用料や任意の検査を除き、運動療法単体での費用は掛からず、患者のメリットは大きい。トレーニング室を備えた盛岡タカヤアリーナ、盛岡市立総合プールなど市営の体育施設が同病院に隣接することも取り組みを後押しする。

  従来、同病院では、医師が患者に口頭で「1日約1万歩」など運動の目安を伝えていたが、患者にとってはどういった運動をどのくらい取り組めば目標の運動量に達するかが分かりづらかった。同病院は、糖尿病・代謝内科の佐々木敦美医師、宮田悠里理学療法士を中心に、オーダーメードの運動療法の体制を構築し、患者の取り組みやすさにつなげた。

  17年秋から入院患者を対象に開始。18年から外来患者にも広げ、現在は外来で8人が運動療法を利用する。

  対象は同病院の糖尿病・代謝内科を受診した65歳未満の生活習慣病患者。医師による問診と採血やレントゲン、心電図などのメディカルチェックを実施後、理学療法士が運動機能チェックを行い、患者個人の運動習慣や症状に合わせて実行可能な運動メニューや時間などの指導を記載した運動処方箋を作成する。勤務体制の変更で、ジム通いができなくなった患者に自宅でできる運動を勧めたり、オーダーメードならではの良さもある。

  運動処方箋は、市保健所が作成したエクササイズの目安を用い、生活活動として「普通歩行20分」「洗車20分」「雪かき10分」など、運動として「軽い筋トレ20分」「水中ウオーク15分」「ラジオ体操18分」など、具体的な運動を明記。運動処方箋は1週間単位で、次回の診察が行われるまでの2カ月分を患者に渡す。診察時の採血などで症状を確認しながら、運動効果を確認していく。

  同病院は、盛岡タカヤアリーナ、盛岡総合プールに隣接し、運動療法に適した環境。帽子やリストバンドで、運動療法で利用の患者と分かる工夫を施し、両施設内での運動中の見守りや緊急事態発生時の市立病院の連絡先を事前に知らせるなどの協力体制を構築した。

  市保健所が作成した市内の地区ごとのウオーキングマップを、患者の居住地域に合わせて配布するなど、行政機関内での連携も図る。

  宮田理学療法士は「(患者には)若い人で仕事をされている人が多く、取り組みやすいものとしてウオーキングを取り入れたり、軽い筋力トレーニングもパンフレットを見ながら指導し、短時間でも簡単にやってもらえるようにしている。指導した内容通りに取り組んでもらい、次の評価の時に結果が良く、筋力がついたりしているとうれしい」と話した。

  佐々木医師は「生活習慣病とうまく付き合っていくに当たって、食事療法と運動療法を組み合わせて、楽しく運動できるといい。それが生活習慣病を改善する方向にもつながっていく。ぜひ、運動療法に取り組みたい方は市立病院を利用してほしい」と呼び掛けた。


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