盛岡タイムス Web News   2018年   9月  15日 (土)

       

■ 〈体感思観〉 山下浩平 心の平安 一日も早く


 11日で、東日本大震災から7年半が経過した。毎年のように全国各地で災害が発生する中、本県からもさまざまな分野の専門家が現地へ派遣され、技能や経験を生かした支援活動に取り組んでいる。東日本大震災津波の被災地として、他にはない経験を積んだ本県の災害医療、保健福祉など各分野のスペシャリストは、本県、国にとっても貴重な財産だろう。

  平成30年7月豪雨で、甚大な被害を受けた岡山県倉敷市で本県の災害派遣福祉チーム(DWAT)として活動した、介護老人保健施設博愛荘(矢巾町)の小泉進さんの報告会が、4日にあった。小泉さんは報告の中で、体制が整っていない岡山県DWATの活動計画の策定について指導したことも説明した。

  そこでは数週間先の避難所生活(短期)、数カ月先の仮設住宅などで生活する時期(中期)、地域で生活を再開する時期(長期)を自立支援の視点から意識することを岡山県側に伝えたことも紹介。活動実績のある本県DWATとして、こういった活動の一つ一つが、被災地の復旧、1日も早い住民の生活再建につながっていくのだろうと思った。

  一方で、大震災を経験した被災地の住民は、各地で頻発する災害へどのような思いを持っているのだろうか。

  10日に行われた、紫波町、北上市、遠野市の各大槌会の交流会。大槌町出身で、震災後に内陸へ移った人がほとんど。催しの中では、同じ古里を持った者同士が集まり、懐かしさや大槌への思いを持ち寄った参加者の楽しげな表情が多く見られた。また、北海道地震に対する募金が行われたことも印象的だった。

  全体的にみれば、西日本の豪雨災害も北海道地震も、東日本大震災の被害には遠く及ばない。しかし、災害で失われた命、家族や大切な人を亡くした、住民一人ひとりの悲しみに差はない。大槌会交流会の参加者の笑顔を見て、一日も早く、西日本や北海道の被災者に心の平安が戻ることを願わずにはいられなかった。


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