盛岡タイムス Web News   2019年    1月   20日 (日)

       

■ アレルギー疾患 県の医療連絡協が発足 拠点病院選びや人材育成 対策強化へ

     
  有識者や患者会の代表らが意見交換した県アレルギー疾患医療連絡協議会の初会合  
   有識者や患者会の代表らが意見交換した県アレルギー疾患医療連絡協議会の初会合
 


 県アレルギー疾患医療連絡協議会(会長・前門戸任岩手医大呼吸器・アレルギー・膠原病内科学講座教授、委員13人)の初会合が18日夜、県庁で開かれ、本県のアレルギー疾患対策について有識者らが意見交換した。県保健福祉部は新年度、アレルギー疾患医療の中心となる県拠点病院の選定や医療資源の調査、アレルギー疾患に対応できる人材養成などに着手する方向で予算要求し、準備を進めている。

 協議会は2015年12月に施行されたアレルギー疾患対策基本法の趣旨に沿って設置。同法は、県が、地域の実情に応じて、アレルギー疾患の重症化予防や症状の軽減、医療の均てん化などの施策を講ずる努力を求めている。

  初会合にはアレルギー疾患の専門医師や栄養士、薬剤師、小児患者の親の会の代表ら委員全員が出席。不足している専門医師の養成や学校現場での対応、防災備蓄品のアレルギー対応など幅広な観点から課題を話し合った。

  「県北や沿岸地域は圧倒的に専門医師が不足しており、それをどう補い、医療の均てん化を図っていくかが一番の課題」(久保田公宜県医師会常任理事)との指摘や、拠点病院の在り方について「アレルギーに関する全ての科がそろっている病院は全国的にも少ない。複数の病院で連携を図り拠点化を進める必要がある」(佐々木美香もりおかこども病院副院長)といった意見が出た。

  アレルギー疾患の治療に関しては、厚労省が標準的な治療のガイドラインを示しているが、専門医師以外の医療者への浸透が不十分で、医療機関によって治療に差がある現状があるという。重症のアレルギー疾患の子どもがいる学校や保育所、学童保育などでは、アナフィラキシーショックを防ぐ「エピペン」(自己注射薬)の使用方法など、職員全体で救急体制を整える必要があり、取り組みが急がれる。一方で、正確な診断がないまま、アレルギーの原因になる食品の除去を続けるなど、本人や対応する現場に過度な負担がかかっているケースなども報告され、課題を共有した。

  現状では、どの医療機関に専門医師がいて、どんな治療が受けられるのか、患者に分かりにくく、拠点病院には、治療相談窓口や専門知識を持つ医療者の育成、正しい知識を普及するセミナー開催といった中心的な役割が期待される。

  前門戸委員長は「アレルギーは小児から成人まで広範にわたる問題。委員会の発足によって、正確なエビデンスの下で、適正な治療が受けられる体制整備の道しるべができるといい。県が動くことで、教育現場や市町村の取り組みも進む」と話した。


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