盛岡タイムス Web News   2019年    3月  20日 (水)

       

■  2019年地価公示 住宅地は18年連続下落 矢巾町が上昇率トップ 商業地マイナス1・2%に縮小 盛岡市は1・2%に拡大 盛南の価格は高止まり


 国土交通省は19日、1月1日時点の全国の公示地価を発表した。本県の対象地となった25市町村の全用途186地点の対前年の平均変動率は、前年を0・4ポイント上回るもマイナス0・5%だった。1平方b当たりの平均価格は4万2400円。下落幅は縮小したが、地価は1988年から22年連続で下落し続けている。用途別では住宅地(128地点)で0・4%の下落(前年0・6%の下落)となり、18年連続で低下。商業地(53地点)は1・2%の下落(同1・7%の下落)で、26年連続の下落となった。工業地(4地点)は4・9%上昇(同1・1%上昇)と2年連続の上昇となった。住宅地の上昇率トップは、矢巾町の岩手医科大矢巾キャンパス付近。盛岡市以外がトップになったのは、2016年以来3年ぶり。市町村別も矢巾町が2・8%上昇で最も高かった。岩手医大附属病院の移転、オガールプロジェクトなどの土地環境整備から、矢巾町や紫波町の住宅需要の旺盛さがみられた。

  ■住宅地

  1平方b当たりの平均価格は3万2900円。価格が上昇した27地点のうち内陸は24地点(盛岡市18地点、矢巾町3地点、滝沢市2地点、紫波町1地点)、沿岸3地点(陸前高田市1地点、釜石市2地点)。

  盛岡市内の平均変動率は前年と同じ0・4%上昇となった。矢巾町は2・8%(前年0・9%)、紫波町は2・1%(同1・1%)と、それぞれ上昇率が大きくなった。滝沢市も前年の0・3%下落から0・3%上昇に転じた。

  地価上昇率がもっとも高かった地点は、矢巾町の岩手医科大矢巾キャンパス西側周辺の「南矢幅第9地割367番」で4・8%上昇した。次いで高かったのは、紫波町の紫波一中北側付近の「平沢字松田10番3」で、4・2%上昇した。

  細川卓不動産鑑定士は「矢巾町は開発適地が少ないため、医大移転による影響が近隣市町に広がる見込みはある。ただ、盛南地区のように長く続くか分からない」と予測する。

  盛岡南新都市地域(盛南地区)は、前年まで人気の住宅地として5%以上の上昇で推移していたが、価格が高止まりし、上昇幅が縮小。居住に適した開発適地が売り尽くされ、新規の住宅分譲地が減少する見込み。空き家対策による農家住宅から戸建専用住宅への用途変更が増えており、今後は中古物件住宅の売買が盛んになるとみている。

  下落率が最も大きい地点は、4年連続で「一関市千厩町千厩北方82番1」のマイナス4・7%。少子高齢化や人口減少などから土地需要が低迷し、地価の下落が継続している。

  沿岸部の平均変動率はマイナス0・7%で前年より下落幅は0・4ポイント縮小。平均地価は3年連続の下落となった。災害公営住宅や防災集団移転事業などの復興事業の進行から、被災者の移転需要が落ち着いたとみている。

  陸前高田市が前年比1・0ポイント上回る0・5%、釜石市が1・2ポイント上回る1・2%と上昇に転じたが、「復興需要ではなく、一時的な需要。今後は他市町村のようにマイナスに転じていく」と細川不動産鑑定士は分析。陸前高田市の上昇は、かさ上げした土地区画整理事業の保留地よりも地価が安い土地を、被災者以外が購入した影響。釜石市は、被災者の土地取得が終わり、これまで購入を控えていた層が世帯分離や住み替えを目的に、平たん部の土地の購入を始めており、中古住宅の購入も増えているという。

  ■商業地

  1平方b当たりの平均価格は6万7800円。市町村別の平均変動率は、盛岡市の上昇率が前年の0・1%を上回る1・2%となった。地点新設の矢巾町と選定替えの山田町を除いた前年と比較できる調査18市町は、横ばいの北上市を除いて下落した。

  価格が上昇したのは9地点。上昇率がもっとも高かったのは盛岡市盛岡駅前通で、前年を3・8ポイント上回る3・8%。緩やかな景気回復から県内外の投資が増え、地価が上昇した。沿岸部は、前年を0・3ポイント上回ったがマイナス1・8%と5年連続で下落した。

  ■工業地

  平均変動率は上昇幅が拡大し、1平方b当たりの平均地価は1万6300円と2年連続で上昇した。上昇率が最も大きかったのは、盛岡南インターチェンジ付近の「矢巾町流通センター南1丁目5番10」で11ポイント上昇の18・0%。地価は2万1600円。隣接する広宮沢土地区画整理事業で整備された流通業務用地で、小口流通業者などの取り引きが活発化した。次いで「北上市流通センター609番外」が1・5ポイント上昇の1・5%で、地価は1万3300円。半導体大手東芝メモリの進出の影響が出始めたとみている。


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