盛岡タイムス Web News   2019年  6月  12日 (水)

       

■  県商店街実態調査報告 店主も顧客も高齢化 盛岡市内は組合員減少 ななっく、岩手医大も影響


     
  5月27日のホットライン肴町アーケード  
 
5月27日のホットライン肴町アーケード
 

 県商工労働観光部経営支援課は5月、2018年度県商店街実態調査報告書を公表した。県内の商店街振興組合23、事業協同組合17、任意団体106の計146団体(前回調査の15年度は153団体)に調査。課題に出たのは▽来街者や店舗経営者の減少、高齢化▽空き店舗の増加▽後継者不足▽商圏人口の減少―など。盛岡市中心部の商店街では「小売店の減少」「組合員不足による集客力の弱体化」などが課題に挙がり、河南地区の中核商業施設ななっくの閉店、岩手医大附属病院の矢巾町移転による客足減少に対する懸念も高まっている。

  報告によると、商店街の当面の問題点で多かった回答(複数回答可)は「商店街利用者(顧客など)の高齢化」で74・5%、「店舗経営者の高齢化・後継者難」61・3%、「商圏人口の減少」60・4%が上位を占めた。

  3年前と比較して来街者が「増えた」と答えた商店街は全体の5・0%(前回8・1%)と少なく、「減った」は68・9%(65・5%)と多かった。減った要因は(複数回答可)「商圏人口の減少」84・0%が一番多かった。

  商店街の強みとして多かったのは「地域密着」で66・0%、次いで「顧客とのつながり」55・7%。弱みとして多かったのは「店舗の数」で59・1%、「店舗の多様性」52・7%が次いだ。

  来街者に多い年代は「60代」で45・1%。「70代以上」と合わせると、73・4%を高齢者が占める。店舗経営者の年代でもっとも多いのも「60代」で、66・7%。「70代以上」と合わせると、高齢者は83・8%だった。

  3年前と比較して空き店舗数は「増えた」が38・8%(前回34・5%)、「減った」が13・8%(15・5%)。空き店舗が解消されない理由の4割は「家主に貸す意思がない」と「店の補修・改修ができない」と、最も多かった。

  盛岡市のホットライン肴町アーケード内にある日本茶専門店「繁田園」の繁田秀一社長(51)は、肴町商店街の将来に危機感をあらわにする。「青年部の活動が盛んで、親子連れ向けのイベントも多い商店街だが、空きテナントも増え、メーン顧客の高齢者の客足も少しずつ減っている印象。ななっく閉店による影響も大きいだろう」と予想。「江戸時代から350年続く歴史ある商店街を絶やさないため、ななっく再開まで持ちこたえなければならない。買い物以外で訪れたくなる仕組みを作り、交通弱者の高齢者への支援が必要だ」と話していた。

  報告によると、商店街店舗の業態で多いのは「小売業全体」38・1%で、「飲食除くサービス業」23・2%、「飲食店・飲食サービス業」19・7%と続く。

  「共同売り出し事業をしている」と回答した商店街は29・6%(前回33・8%)、「集客イベントを1回以上実施している」の回答は53・6%(58・1%)。そのうち集客効果が「かなりある」としたのは10・5%(12・2%)、「ある程度ある」は53・7%(57・8%)で、集客イベントなどはするものの、その効果に限界を感じているようだ。

  盛岡市の盛岡大通商店街は、消費者の購入方法の多様化などを背景に物販店が年々減り、2017年には飲食店数が小売店数を上回った。5月時点の組合員数は53者で、最も多かった1961(昭和36)年度の179者の3分の1以下になっている。

  中村正樹同商店街協同組合事務局長(56)は「組合員の減少から予算規模が縮小し、商店街単独で集客イベントをできない状態。大型店舗と共同で実施しているが、効果が高いとは言えない」と述べ「アーケードの整備や清掃、防犯カメラの設置など、誰もが安心して訪れられる商店街の環境を組合で作っている。それを知り、『自分たちの商店街』という意識を持つ事業者が増えてほしい」と望んでいた。

  同調査は、商店街組織の活動実態や商業環境などの現状を知り、商店街振興施策の立案への基礎資料とするために実施している。


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